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【平成18年度通常総会「記念講演」】 |
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欠格要件というのはいわばその許可申請のときにこの要件を満たしていたら基本的には許可されないということでした。しかし、許可の段階ではそれに該当していなかったとしても後々該当するようになったらその要件を満たしたということで、許可が取り消されるという事由が欠格要件となります。 欠格要件に関しては大きく2つになります。1つはその企業独自のもの、企業としての欠格要件です。こちらは今回の説明は省略し、もうひとつの会社役員や法令で定める使用人に関するもの、いわば企業に属している主要の人物についての欠格要件について確認していきたいと思います。 まずは成年非後見人若しくは非保佐人又は破産者で復権を得ないものということです。簡単に言いますと自分で取引とかの判断ができにくくなっている人、自分の判断ができにくくなっている人、これが非後見人若しくは非保佐人ということになります。それらの人が会社役員だった場合は、その会社の許可が取り消されるという結果になります。 それから破産者。例えばいろいろな青年部会の皆様ですと若いということでいろいろな楽しいことをする。海外に行くにも、スキーに行くにも何かしようと思ったらお金がかかります。お金がかかるのでサラ金とか町金とかをつまむ。グラビアに良く出てくるような女性がにこやかに対応するものですから、特に問題ないのではないかと借りてしまう。借りてしまったら大変。利息を返すのに大変になってしまい、どんどん膨れ上がって、昨今はその件数も減りましたが自己破産というのがありました。こっそり会社に隠れて、役員が自己破産です。自己破産をしたら破産者で復権を得ないものになるわけです。これからも返せないということで、のちのち免責されるという手続きもあります。免責を得られるまでの人がこの“破産者で復権を得ないもの”ということになるわけですが、結局は自己破産を申し立てたら破産者で復権を得ないものになります。この段階で免許が取り消されることになるのです。これも恐ろしい話です。 そして懲役に処されその執行を終わり、またその執行を受けることができなくなった日から5年を経過しないもの。執行猶予に当たってもこれは欠格要件に該当します。執行猶予というのは普通の人と同じです。普通に生活できるし、働くことも出来る。しかしながら有罪であることは間違いない。ですから執行猶予の判決を得たとしても懲役1年6月・執行猶予3年の場合でも欠格要件に該当します。これは忘れないで下さい。 会社役員が喧嘩をして相手にケガを負わせてしまった場合、役員が飲酒運転・酒気帯び運転で人身事故を起こした場合、セクハラの場合はどうか、痴漢・わいせつ行為、少女売春などの条例違反は欠格要件に該当するか。そのような場合には懲役刑を課せられることがあります。例えば児童買春をした場合は5年以下の懲役になります。また、セクハラや痴漢ですが、痴漢の場合は強制わいせつ罪や迷惑防止条例違反に当たります。昨今強制わいせつ罪は本当に怖いです。私は電車が込んでいるときは絶対に両手を上げます。かばんがあっても両手を挙げます。 また、会社役員が飲酒運転・酒気帯び運転で人身事故を起こした場合。酒を飲んだら運転しちゃいけないという当たり前なのですが。これはどういう犯罪になるのか。皆さんもご存知のことと思いますが、業務上過失致死傷罪というものがあります。飲酒をして人を殺してしまった。さらに最近は危険運転行為としてもっと重い罪になることもあります。しかし人を殺さなくても道路交通法違反というものがあります。例えば道路交通法違反で懲役6月以下の懲役には何があるか?最高速で規定の違反行為をしたときはスピード違反となり、6月以下の懲役になり得るのです。あるいは積載物の重量の制限を越える積載をして車両を運転したもの、いわゆる過積載です。さらに3ヶ月以下の懲役もあります。信号無視、追い越し禁止違反、徐行義務違反、違法駐車違反に対する警察官などの促進命令不服従、整備不良車両の運転、安全運転義務違反、自動車の運転者遵守事項違反は罰金刑だと思っているかもしれませんが3月以下の懲役刑もあるのです。ですからこの道路交通法違反で懲役刑に処せられる場合は会社の免許が取り消される。そうするとこれは親父達にも教えてあげなくてはいけないのです。 さらに怖いのが取り消しの連動です。ある産業廃棄物処理会社で許可を取り消しになったらその会社役員はいわばウイルスを持つわけです。その人が他の廃棄物処理会社でも役員になっていると取り消された会社の役員だったということで何もなかった処理会社まで許可が取り消される。大体この業界の方の名刺は1枚ではないと聞いていますので大変なことになります。Aという産廃業者が破産した。破産した業者は許可取り消し、これは当然です。その破産した会社の役員がBという別の廃棄物処理会社の役員をしていたらBという会社も許可取り消しになる。恐ろしい話です。 現在のところ一般的な対策としては欠格事項に該当する前に辞任するか解雇するしかないといわれています。例えば多額の負債を抱えたとか、交通違反を起こした、喧嘩・口論をしたとか暴行や傷害事件を起こしたなどという場合は早々に辞任する、あるいは警察から取調べを受けた時点で役員を辞任若しくは解雇することです。これらを速やかに対処するためには日常から役員や使用人の状況を把握すると共に欠格事由の重大性についても常日頃から十分な周知と指導をしておくことが重要です。できることならば個人的なトラブルも会社に報告することが必要になります。 許可取り消しは我々業界で仕事をする上で最も避けなければいけない重大な問題です。それがこんなに身近におこりうるとお聞きして「今の時代、ことによれば顧問弁護士などというものが必要になるのかな?」と考えさせられた講演会でした。 |